1990年 4月
私は大学4回生になった。幸い、3回生終了時点で単位は全て習得できていたため、
大学へは週1回の登校でよくなり、鉄道を使った通学には、
通学定期券を買わずに、切符を都度購入したほうが
コストダウンになることが分かった。
登校日以外の6日間は遊んでいたわけではない。
卒業論文の取材及び作成、
そして、大事な就職活動に注力できた。
アルバイトで学費や旅費を稼ぐことも。
社会人となる直前の一番充実した時間であったと思う。
寝台列車で旅するためにも。
当時、JRでは、オレンジカードと呼ばれるプリペイドカードを販売していた。
1,000円~10,000円のカードがあり
3,000円には100円、5,000円には300円、10,000円には700円のプレミアムがついていたと思う。
駅だけでなく、特急列車の車内でも限定カードを販売していた。
<寝台特急 瀬戸号 車内で購入>
<寝台特急 あかつき号 車内で購入>
寝台特急に乗車した際、必ずこのオレンジカードを購入した。
プリペイド制の為、切符購入の際はこのカードを投入すればよい。
通学に使えるし、記念にもなるからである。
<寝台特急 みずほ号 乗車記念 オレンジカード>
そんな折、寝台特急 はやぶさ号に乗車した。
検札の際、車掌さんに記念のオレンジカードがあるか尋ね、
10,000円のカードを購入した。
購入後、B寝台個室で窓外を眺めていると、
ドアをノックする音が・・・
開けてみると、先程の車掌さんが、
「オレンジカード購入いただき本当に有難うございました。これ使ってください」
といただいたのが、寝台特急のヘッドマークのイラストのタオルを差し出された。
このタオルはA寝台利用者専用のアメニティのタオルであった。
寝台特急はやぶさ号はJR九州の車掌が乗務担当である。
当時、国鉄分割民営化から3年余り。
各JRとも、自社の売り上げを上げるべく凌ぎを削っていた頃で、
車掌さんも、きっとこのオレンジカードの車内販売のノルマがあったと思われる。
そんな折、10,000円の高額カードが販売できたことによって、達成できたのであろうことは、これから社会人に突入しようとする私でも想像できた。
私としては、はやぶさ号の乗車記念と通学にも使える、そしてタオルまでいただいて
嬉しさこの上ない。人情味あふれるJR九州の車掌さんに感謝であった。
社会人となる前に、商売を通じて、お互いがhappyになることを体験させて頂いた。
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